石のDB

032 ざくろ石トーナル岩 garnet-tonalite 日高町 

032/132


採集日:2008-06-07
採集地:日高町
地質帯:日高変成帯
岩体 :チロロ岳
種別1:火成岩
種別2:深成岩
サイズ:10cm

日高変成帯の深部にあったと思われるトーナル岩。これ単体ではトーナル岩ですが、大きな転石では、変成岩が融けたのだろうミグマタイトの特徴を見ることができます。

石英、斜長石、斜方輝石、黒雲母、ザクロ石からなります。花崗岩みたいに見えますね。この岩石はトーナル岩といわれるものです。 日高変成帯は、日高山脈に存在している島弧断面の最も深いところに、変成岩としてはグラニュライト、火成岩としては、かんらん岩とトーナル岩が存在しています。泥質変成岩中最高変成度であるグラニュライトがさらに過熱され、グラニュライト中の構成鉱物である石英、黒雲母、ざくろ石が反応してて輝石を生じるくらいになると、含水鉱物である黒雲母から脱水が始まり、水が出てきます。そうすると融点が下がり溶け、マグマを生じます。日高変成帯のトーナル岩は、このマグマが地下深くでゆっくり固まって出来たのだろうと言われています。

●トーナル岩
見た目は花崗岩のような岩石(花崗岩質岩石)ですが、花崗岩との違いで最たるものは、アルカリ長石(カリ長石、曹微斜長石、曹長石)が少ない点。ほとんど含まないか含んでも含まれる無色鉱物の10%程度までしか入ってないです。見た目にもアルカリ長石はほとんど入っておらず、白い部分は石英が多く、次いで斜長石です。

参考文献:記載岩石学/日本地質誌 北海道地方