石のDB

006 あられ石 aragonite 士別市 

006/132


採集日:2008-06-26
採集地:士別市
地質帯:神居古潭帯
岩体 :犬牛別
種別1:炭酸塩鉱物
種別2:あられ石
サイズ:4cm

士別の蛇紋岩は、大量の炭酸塩鉱物を伴ってはいないのですが、蛇紋岩の割れ目にあられ石が生成していました。

蛇紋岩体には、あられ石の脈が入っていることが時々あります。あられ石は炭酸カルシウムです。組成上、カルシウムを含まない蛇紋石を主成分とする蛇紋岩の中に、なぜ炭酸カルシウムがあるのか、なぜ、方解石ではなくてあられ石なのだろうと思ったことはないでしょうか?

基本的には、かんらん石や輝石に水が作用して蛇紋石やブルース石になる際に、組成上、カルシウムが余るので、それが水に溶け込んで、条件が整ったところで炭酸塩鉱物となる。ということです。

このように大きな結晶が蛇紋岩中に成長するためには、その結晶が晶出する条件が整う必要があるので、なんらかの形で蛇紋岩に水が作用して、溶け出したカルシウム成分が結晶化したのだろうと思います。なぜ方解石ではなくてあられ石なのかというと。所説あるらしいですが、その一つが、マグネシウムイオンが多いとあられ石になりやすいらしい。蛇紋岩はマグネシウムを大量に含むので、そうなんだろうと思います。